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握力が弱い人は健康リスクが高い?「手の力」から考える40代・50代の筋力低下

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握力が弱い人は健康リスクが高い?「手の力」から考える40代・50代の筋力低下

握力が弱い人は健康リスクが高い?「手の力」から考える40代・50代の筋力低下

2026/10/23

「最近、ペットボトルのキャップが開けにくくなった」

「買い物袋を持っていると、以前より腕が疲れる」

「昔はもっと力があった気がする」

日常生活で、こんな変化を感じることはありませんか?

実は、こうした小さな変化には、身体の筋力が関係していることがあります。

今回注目したいのは、握力です。

握力と聞くと、学校の体力測定を思い出す方もいるかもしれません。

僕も学生時代は、握力計を思い切り握って、友達と数字を競った記憶があります。

でも、この握力。単純に「手の力が強いか弱いか」を表すだけの数字ではないんです。

近年、握力は全身の筋力や健康状態を把握するための、重要な指標の一つとして注目されています。

しかも2026年には、握力の左右差と健康リスクの関係について、大規模な研究結果も報告されました。

今回は、意外と知られていない握力と健康の関係について、最新の研究を交えながらお話ししたいと思います。

 

【握力は全身の筋力を知るための手がかり】

まず最初に、こんな疑問が浮かぶかもしれません。

「手の力を測っただけで、身体全体のことが分かるの?」

もちろん、握力だけで全身の筋力を正確に判断できるわけではありません。

ただ、握力は測定が簡単で、筋力の状態を比較的把握しやすいという特徴があります。

国立長寿医療研究センターでも、握力を筋力の指標として取り上げ、加齢による変化について研究しています。

例えば、腕の筋力だけでなく、脚や体幹の筋力も加齢とともに低下することがあります。

握力が弱くなっている人では、ほかの筋肉の力も低下している可能性があるわけです。

つまり、握力は全身の筋力低下に気づくための、一つの手がかりになります。

僕がトレーナーとして大切だと思うのは、ここです。

筋肉は、見た目だけでは評価できません。

腕が細いから筋力が弱いとは限りませんし、身体が大きいからといって、十分な筋力があるとも限りません。

筋肉量だけではなく、実際にどれくらい力を発揮できるか。

この視点も、健康づくりには必要なんです。(国立長寿医療研究センター)

 

【2026年の研究で分かった「握力の左右差」と健康リスク】

2026年7月号の学術誌『Archives of Gerontology and Geriatrics』に、興味深い研究が掲載されました。

この研究では、握力の左右差と死亡リスクの関係について、9件のコホート研究を統合して分析しています。

対象者は、合計約90万人。

かなり大規模な研究です。

その結果、握力の左右差がある人では、左右差のない人と比較して、全死亡リスクが約12%、心血管疾患による死亡リスクが約29%高いという関連が認められました。

また、握力そのものが低く、さらに左右差もある場合には、全死亡リスクが約39%高いという結果でした。

ただし、ここで注意してほしいことがあります。

握力に左右差があるから、寿命が短くなると証明されたわけではありません。

これは観察研究をまとめたもので、あくまで統計的な関連を調べた研究です。

握力の左右差には、利き手や過去の怪我、身体の状態なども関係します。

また、対象者全員が40代・50代だったわけでもありません。

それでも、握力という身近な数字から健康状態について考えられるのは、面白い発見だと思います。

 

【左右で握力が違うのは普通?】

ここは少し誤解しやすいところです。

右利きの人なら右手、左利きの人なら左手の握力が強いことは珍しくありません。

スポーツ経験や仕事での身体の使い方によっても、左右差は生まれます。

ですから、左右の握力が違うという理由だけで心配する必要はありません。

ただし、以前と比べて明らかに力が弱くなった場合や、左右差が急に大きくなった場合は、その原因を確認することが大切です。

特に、片側の手足に突然力が入らなくなった場合は、単なる筋力低下ではなく、脳卒中などの可能性もあるため、速やかな救急対応が必要です。

握力の数字は、病気を自己診断するためのものではありません。

あくまで、自分の身体の変化に気づくための情報として考えてほしいと思います。

 

【実は50代から筋力低下の診断基準が設けられた】

もう一つ、最近の重要な動きがあります。

2025年11月、アジアのサルコペニア診断基準が改訂されました。

サルコペニアとは、筋肉量と筋力が低下した状態を指す医学的な概念です。

今回の改訂では、これまで主に65歳以上を対象としていた診断の枠組みに、50〜64歳の基準が新たに設けられました。

その握力の基準は、次のようになっています。

50〜64歳

男性:34kg未満

女性:20kg未満

65歳以上

男性:28kg未満

女性:18kg未満

もちろん、この数値を下回っただけで、サルコペニアが確定するわけではありません。

診断には、握力に加えて筋肉量の評価なども必要です。

ただ、50代から筋力の状態を医学的に評価する枠組みが整えられたことは、僕たちトレーナーにとっても重要な話だと思います。

筋力低下を「高齢になってから考えればいいもの」と捉えるのではなく、もっと早い段階から意識する。

そうした考え方が広がっているわけです。(日本カヘキシア・サルコペニア学会)

 

【トレーナーとして感じる「筋力があること」の価値】

パーソナルトレーニングの現場では、体重や体脂肪率の変化に注目する方が多いです。

もちろん、ダイエットを目的に通われている方にとっては、大切な数字だと思います。

でも僕は、それだけではなく、日常生活の動きがどのように変わっているかも重視しています。

以前PROLOGUEのコラムで紹介したお客様に、仕事が忙しく、なかなか運動を続けられなかった方がいました。

過去には24時間ジムへ入会したものの、ほとんど通わなくなってしまった経験もあったそうです。

そこで、まずは週1回のトレーニングを軸に、日常生活でも少しずつ身体を動かすことから始めました。

トレーニングでは、下半身や背中、体幹などを中心に、その日の体調に合わせながら強度を調整。

数ヶ月後には、周囲から見た目の変化を指摘されるようになり、ご本人も以前より疲れにくくなったことを実感されていました。

座りっぱなしでも、以前ほど腰がつらくなりにくくなったそうです。PROLOGUE

このお客様について、握力の変化を測定した記録があるわけではありません。

ただ、トレーニングによって日常生活が楽になったという点は、今回のテーマにも通じるものがあります。

トレーナーとして現場でお客様と接していると、「身体が変わった」というのは、必ずしも体重が減ったことだけではないと感じます。

階段を上るのが楽になった。

重い荷物を持っても疲れにくくなった。

長時間歩いても平気になった。

こうした変化は数字に表れにくいですが、生活の質にとっては大きな意味があります。

だからこそ、筋力そのものにも目を向けてほしいんです。

 

【握力を鍛えれば、健康になれるの?】

ここで一つ、疑問が出てきます。

「それなら、ハンドグリップを毎日握ればいいの?」

結論から言うと、握力だけを鍛えても、全身の健康づくりとしては十分ではありません。

握力の低さと健康リスクに関連があることと、握力だけを強くすれば健康リスクが下がることは、別の話です。

例えばハンドグリップを使えば、手や前腕の筋力を鍛えることはできます。

ただ、それだけでは太ももやお尻、背中などの大きな筋肉に十分な刺激を与えられません。

僕がおすすめしたいのは、握力だけではなく全身をバランス良く鍛えることです。

特に大切なのが、下半身と背中の筋力。

スクワットのような脚のトレーニング。

ローイングのような背中のトレーニング。

そして、ダンベルなどを持って歩く運動も、握る力を使いながら全身の筋肉を働かせる方法の一つです。

もちろん、重いものを持てばいいというわけではありません。

握力や手首、肩の状態に合わせて、無理なく負荷を設定することが大切です。

 

【自分の握力を一度測ってみよう】

ここまで読んで、

「自分の握力って何kgくらいなんだろう?」

と思った方もいるかもしれません。

そんな方は、一度測ってみるのもおすすめです。

握力計があれば、左右それぞれ2回程度測定し、各手の最大値を記録しておくと、今後の比較に役立ちます。

ただし、測定するたびに握り方や姿勢が変わると、数値も変わりやすくなります。

できるだけ同じ条件で測定することが大切です。

また、痛みがあるときや怪我をしているときは、無理に測定しないでください。

大事なのは、他人と比べることよりも、自分の変化を知ること。

以前より明らかに握力が落ちていたり、日常生活でも力の低下を感じたりする場合は、筋力や健康状態を見直すきっかけになると思います。

 

【40代・50代こそ、体重よりも筋力に注目してほしい】

僕が今回の研究を読んで改めて感じたのは、健康を考えるとき、体重だけでは分からないことがたくさんあるということです。

例えば、20代と50代で体重が同じだったとしても、筋肉量や筋力まで同じとは限りません。

運動習慣が少なくなれば、筋肉が衰えていても体重はあまり変わらないことがあります。

すると、

「昔と体重が変わっていないから大丈夫」

と思っていても、実際には以前より筋力が落ちている可能性があるわけです。

身体の変化を知るためには、体重計だけではなく、実際に身体を動かしてみることも大切です。

スクワットが何回できるか。

階段をどれくらい楽に上れるか。

以前より重いものを持てるようになったか。

そして、握力はどれくらいあるのか。

こうした指標を組み合わせて考えることで、自分の身体の状態をより広い視点で捉えられます。

筋力は、年齢を重ねてもトレーニングによって改善できる能力です。

もちろん、年齢や健康状態によって変化の大きさは異なります。

それでも、今から身体を鍛え始めることに意味がない、ということはありません。

 

【筋トレは、これからの生活を守るためのもの】

筋トレをする理由は、人それぞれです。

痩せたい。

筋肉をつけたい。

姿勢を良くしたい。

肩こりを何とかしたい。

どんな理由でも構わないと思います。

ただ、長くトレーナーを続けてきた僕としては、もう一つ大切にしてほしいことがあります。

それは、**「この先も自分の身体を不自由なく動かせること」**です。

旅行に出かける。

家族と遊ぶ。

重い荷物を持つ。

好きなスポーツを楽しむ。

そんな当たり前の日常を、できるだけ長く続けていく。

筋力を維持することは、そのための大切な準備でもあります。

今回紹介した握力の研究は、自分の筋力を見直す一つのきっかけになると思います。

握力の数字だけに一喜一憂する必要はありません。

でも、体重と同じように、筋力にも少し関心を持ってみてください。

身体の健康は、何kgあるかだけでなく、何ができるかも大切です。

そのことを、ぜひ覚えておいてほしいと思います。

 

 

【参考文献・参考資料】

① Ran M, et al.(2026)

Handgrip strength asymmetry is associated with mortality risk: Systematic review and meta-analysis.

掲載誌:Archives of Gerontology and Geriatrics、2026年7月号

論文URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41955643/

② Chen LK, et al.(2025)

A focus shift from sarcopenia to muscle health in the Asian Working Group for Sarcopenia 2025 Consensus Update.

掲載誌:Nature Aging、2025年11月4日公開

論文URL:https://www.nature.com/articles/s43587-025-01004-y

③ 国立長寿医療研究センター

「握力は活力のバロメーター」

参考URL:https://www.ncgg.go.jp/ri/advice/34.html

④ 厚生労働省

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

参考URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-004.html

 

 

【PROLOGUE(プロローグ)】

名古屋市中区錦のパーソナルジムPROLOGUEでは、一人ひとりの体力や目的に合わせたオーダーメイドのトレーニングを提供しています。

筋力トレーニングだけでなく、ボディケアやストレッチも組み合わせながら、無理なく続けられる身体づくりをサポートしています。

住所:名古屋市中区錦2-8-25 三富伏見ビル2F
アクセス:地下鉄「伏見駅」「丸の内駅」から徒歩2分
電話:052-990-4360
メール:prologue.gym@gmail.com
営業時間:10:00〜22:00
定休日:日曜日
WEB:https://prologue-gym.com/

無料体験トレーニング受付中。

※本記事は2026年10月時点の研究・公的情報をもとに作成しています。握力の低下や左右差だけで病気を診断することはできません。急激な筋力低下、しびれ、痛みなどがある場合は医療機関へご相談ください。

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